カフェインと薄毛の関係性とは?髪と頭皮への意外な影響
日常的に口にするコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれる「カフェイン」。
眠気覚ましや集中力アップのために飲む方も多いですが、実はカフェインは薄毛や抜け毛と関係があると言われています。
では、カフェインは髪の毛にとって“敵”なのか、それとも“味方”なのか。ここでは、カフェインと薄毛の関係性を科学的に解説していきます。
1. カフェインの基本的な作用
カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオなどに含まれる天然成分で、中枢神経を刺激し、覚醒作用をもたらします。
代表的な作用は以下の通りです。
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眠気を覚ます(脳内のアデノシン受容体をブロック)
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血管を一時的に拡張または収縮させる
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代謝を高める(脂肪燃焼効果)
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利尿作用による水分排出
これらの作用は一見すると髪とは関係がなさそうですが、血流や栄養吸収に影響するため、間接的に髪の健康にも関わってきます。
2. カフェインが薄毛を進行させる可能性
カフェインの過剰摂取は、以下の理由から薄毛を悪化させる可能性があります。
2-1. 睡眠不足を招く
髪の毛は、寝ている間に細胞分裂が活発になり成長します。
カフェインを夕方以降に摂ると睡眠の質が低下し、髪の成長ホルモンの分泌が減少。これにより毛根の回復が不十分になり、抜け毛が増える原因になります。
2-2. 栄養不足を引き起こす
カフェインには利尿作用があり、ビタミンやミネラル(特に亜鉛やマグネシウム)を体外に排出しやすくします。
これらの栄養素は髪の生成に不可欠なため、不足すると毛が細くなったり、抜けやすくなったりします。
2-3. ストレスホルモンの分泌増加
カフェインはアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンの分泌を促します。
これらが慢性的に高い状態だと、頭皮の血流が悪化し、毛乳頭に十分な栄養が届かなくなります。
3. カフェインが髪に良い影響を与える場合もある
一方で、カフェインは必ずしも悪者ではありません。
最近の研究では、外用としてのカフェインは発毛を促進する可能性があるとされています。
3-1. 血行促進効果
カフェインは皮膚に塗布すると血流を促す作用があり、毛母細胞への栄養供給をサポートします。
3-2. DHT抑制作用の可能性
男性型脱毛症(AGA)の原因となるホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響を、カフェインが一部抑えるという研究もあります。
3-3. 外用と内服の違い
飲むカフェインは全身に作用し、副作用が出やすいのに対し、外用は局所的に働くため、薄毛治療用シャンプーやトニックにも配合されています。
4. カフェインとの付き合い方
カフェインを完全に避ける必要はありませんが、髪の健康を考えるなら摂取量とタイミングを意識しましょう。
4-1. 1日の適量
健康な成人で1日あたり 200〜400mg程度 が目安。
コーヒーならマグカップ2〜3杯程度です。
4-2. タイミング
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就寝6時間前からはカフェイン摂取を避ける
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午後はデカフェやハーブティーに切り替える
4-3. 栄養補給を意識
カフェインによるミネラル排出を補うため、亜鉛・鉄・マグネシウムを含む食品(牡蠣、レバー、ナッツなど)を摂ると良いでしょう。
5. まとめ
カフェインは摂りすぎれば睡眠不足や栄養不足を招き、薄毛を悪化させる可能性があります。
一方で、外用としては発毛を助ける成分として注目されており、使い方次第で髪の味方にもなります。
ポイントは「適量」「タイミング」「栄養補給」。
毎日のコーヒーをうまくコントロールしながら、髪と頭皮に優しい生活習慣を心がけましょう。